赤アザ(苺状乳児血管腫、単純性血管腫)・茶アザ(扁平母斑)・青アザ(異所性蒙古斑、太田母斑)

  1. 赤アザ(苺状乳児血管腫、単純性血管腫)

(1) 苺状乳児血管腫は出生時はなく、生後間もなく現れ、徐々に、又は急速に盛り上がっていく赤アザです。発生直後に色素レーザー照射が行えれば理想的で、当院でも1回で治癒した乳児の例もあります。
保険では3カ月に1回の治療しか認められていませんが、隆起を止めるには、なるべくこまめに色素レーザー治療をしていく方が効果が高いです。当院では、週1回~月1回程度、頻回に色素レーザー治療を行い、隆起をなるべく早めに止める様に努力しています。

■質問
費用は?

●答え
健康保険の適用ですので乳児医療証をお持ちの方は負担金がありません。また、保険だと3カ月に1度しか治療が認められないので、その間に行う、こまめなレーザー治療費用は当院の場合、全て医院負担で行いますのでご安心ください。

(重症のケース)
目のまわり、口のまわりの急に隆起する血管腫は視機能、開口機能が損なわれますので、ベーターブロッカーという心臓血管系の薬を、数カ月~1年程度内服しつつ、レーザー治療を行うコンビネーション治療が最も効果的です。(共済病院形成小児科と連携)

ベーターブロッカーには、副作用として、低血糖、血圧の低下、意識の低下等の副作用がありますので、初めは共済病院小児科に入院し、慎重に全身を管理し、退院後の自宅での内服指導を受ける必要があります。慎重に使用すれば、今のところ大きな問題はないとされています。

(2) 単純性血管腫

出生直後から見られる、隆起のないアザで、自然に治ることはありません。
おでこや眉間にある薄い赤アザは、1~2歳までに薄くなることもあります。
治療しないまま大人になるまで放置すると、赤アザの上に紫色のこぶ状血管腫が出来ることもあります。
色素レーザー治療を3カ月に1度治るまでしていますが、開始する年齢が低ければ低いほど効果が大きいです。生後早期から治療開始し、2歳までに終了することが理想です。成長して体表面積が大きくなれば、治療は長時間のものとなり、子供にとって負担が大きくなります。

■質問
赤アザが体の広い範囲にあるので、今までの病院だと目立つところしか治療してもらっていません。目立たない、足や太もも、体の赤アザも治療が可能ですか?

●答え
当院では全てのアザをローテーションを組んで、治療していきますので安心してください。

■質問
赤アザの治療には、どのようなレーザーを使うのですか?

●答え
レーザー機器には、米国キャンデラ社のVビームと米国サイノシェアー社のシナジーJがあります。
当院には、両方のレーザーがありますので、病状により使い分けて使用します。

2. 茶アザ(扁平母斑) 0歳のうちに治療しましょう。

治療が最も難しいアザとされていて、子供の専門病院でも治療を行っていないところもあります。しかし、0歳(なるべく生後1~6か月以内)からQスイッチルビーレーザー治療が出来れば、効果は高いことが多く、再発を防ぐ為に行う、当院独自のさまざまな工夫を加えることにより、茶アザが全く消えた例や色が薄くなった子供は当院の場合、数多くいます。成長するにつれ、日焼けしていくとレーザー治療はうまくいかないことが多くなりますので、早く治療しましょう。それでも残念なことに、再発例もありますが、出生早期に治療を行うことが、現在できるベストな治療です。生後2か月から治療する子供と、生後6カ月から治療する子供を比較してみると前者の方が明らかに治療成績は高い傾向です。

3. 青アザ(異所性蒙古斑、太田母斑)

青アザは、生後早期に治療すれば早く治ります。消えるまで3か月に1回Qスイッチルビーレーザーの治療をしていきます。成長するにつれ、体表面積が大きくなれば、治療の期間は長くなり、子供に負担になります。また、日焼けした肌になると、レーザー治療はうまくいきません。目のまわりや顔にある青アザ、いわゆる太田母斑に悩まれている方も多いですが、出現してから、早めに治療すれば、早く治ります。3カ月に1回、レーザー治療をします。目のまわりは、治療用コンタクトレンズを入れて、治療しますので、安全に治療できます。